一般的なバーの仕事内容
バーの仕事って、どんなイメージがありますか?
カウンターの中でカッコよくシェイカーを振って、カクテルを作るバーテンダーの姿を思い浮かべる人が多いかもしれませんね。ナイトワークの中でも、憧れる人が多いと言われるのがバーテンダーです。
今回は、バーテンダーの仕事内容やメリット・デメリットについて、西新宿の元バーテンダーの私が、自分の体験談を交えながらわかりやすく解説したいと思います。
バーテンダーの仕事は、バーの中でお客さまにお出しするお酒を作るだけではありません。もちろん、お酒を作るのがメインではあるんですが、お客さまが気持ちよく過ごせるようにあらゆる気遣いをしながら、バー全体をプロデュースするのが仕事です。
具体的には、開店前の準備作業、営業中の接客、閉店時の片づけ作業の3つに大きく分けることができます。
開店前
- シェイカーなど器具の準備
- お酒の補充、材料の買い出し
- 食材の仕込み(氷を割る、フルーツをカットするなど)
- レジのつり銭などの準備
- 季節感のある店内装飾(ハロウィン、クリスマスなど)
営業中
- お客さまのオーダーを取る
- お酒やおつまみを作って提供する
- お酒についてのアドバイスをする
- お酒のお代わりを勧める
- お客さまと会話する
- BGMの選曲、音量調節
閉店時
- 器具やグラスの洗浄
- テーブルの片づけ
- 店内、トイレの清掃
- レジの精算
お店によっては、閉店後に勉強会やコンテストに向けての練習などをしているところもあります。
バーの仕事のデメリット
脚ががむくむ
バーでの仕事は、立ち仕事が基本なので体力勝負です。Wワークをしている人、特に昼間にも立ち仕事の人は、どうしても足への負担が出るのが悩みだと言ってましたね。
お店が終わるころになると、脚がパンパンでかなりむくんでしまうので、着圧系の靴下や履きやすい靴など、少しでも負担が軽くなる工夫をしている人も多かったですよ。
常に神経を張り巡らせてないといけない
カウンターではお客さまと適度にお話しながらも、手はしっかり動かしていなければなりません。急に話しかけられた時に全く聞いていなかったのでは、受け答えができずに困りますし、かといってずっと会話に参加しているわけにもいかないのが難しいところ。
バーテンダーが目立つのは良くないけれど、存在感がなさすぎてもダメなので、常に神経を張り巡らせてないといけないのが結構疲れます。
生活リズムが崩れる
また、閉店後に新宿界隈へ飲みに行くこともあって、夜中に飲食する回数が増えるので、寝る時間はいつも明け方近く。寝不足や肌荒れも、最初の頃はよく悩まされました。
特に、閉店間際に来て長居される常連さまがいると、なかなか店を閉められなくて帰るのが遅くなったことも。酔ったお客さまにしつこくお酒を勧められて、断り切れないこともありましたね。
バーの仕事のメリット
バーに来店されるお客さまは、サラリーマンやOLだけでなく、実業家や著名人、学者、医師、スポーツ選手、アーティストなど、様々な職業の方がいらっしゃいます。
色々な人と出会える
普段はなかなか聞けないような業界の裏話を聞かせてもらえたり、いろんな仕事をしている多様な人と出会えるのが楽しいですね。バーテンダーの仕事は、人と出会って話すのが好きな人、人脈を広げたい人にはとても向いていると思います。
私が西新宿のバーで働いていた頃、近くのバーでバイトをしていたバーテンダー仲間の中に役者を目指している人がいたんですけど、お客さまが連れてこられたテレビ局のプロデューサーさんを紹介されたって話していたことがありましたよ。こんな風に思いがけない出会いのチャンスがあるのも、バーで仕事をするメリットの一つですね。
また、一度接客したお客さまが、自分を目当てにリピート来店してくださるのは、本当に嬉しい瞬間です。すごくやり甲斐を感じます。
お酒について学べる
お酒の作り方が勉強できて、お酒選びが楽しくなります。さらにお酒だけではなく、季節のフルーツを使ったカクテルを作る機会も結構あるので、果物の旬にも詳しくなりますね。
技術的なことでは、氷の削り方、シェイカーの振り方、シェイクやステアの仕方など、経験が増えるとどんどん上達しますよ。
あと、自分がおすすめして提供したお酒を気に入ってもらえた時は、とても充実感がありますね。「私のイメージでカクテルを作ってほしい」といった、ドラマや小説で出てくるようなセリフをおっしゃるお客さまもいましたよ。
お好みの味を聞き出しながら、喜ばれそうなカクテルを考えてお出しするのは、ドキドキしますけど楽しかったですね。
元バーテンダーの体験談
私は今、新宿歌舞伎町のキャバクラで働いてますが、西新宿のバーでバーテンダーをしていた時の経験がすごく役立ってます。
バーカウンターで幅広い層のお客さまといろんな会話をしながら身につけた雑談力が、キャバクラでの接客にも役立っています。
実際に自分が経験したことのない仕事や、行ったことのない国の話とかでも、以前にお客さまから教えていただいた知識のお蔭で、うまく相づちを打つことができた場面が何度もありました。自分の興味があるかないかに関係なく、どんな話題でも聞いておいて損はないですね。
あと、バーでは季節ごとにオリジナルの創作カクテルを作ってたんですけど、私の考えたカクテルがとても評判が良くて、お店の売上にかなり貢献できた時期があったんです。あの時の嬉しさと自信が、常に探求心や向上心を持って仕事に取り組む姿勢に繋がっている気がします。
将来はキャバクラで働いて貯めたお金を元手に、自分のバーを持ちたいという夢があるので、これからも夢の実現に向かって今の仕事をコツコツ頑張っていきます。
私と同じような夢を持っている人の参考になったら嬉しいです。